平成29年10月20日に「中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律」の施行期日政令及び整備政令が閣議決定されました。本改正法については、6月に成立、平成30年4月1日から見直し後の制度がスタートすることになります。これは大きな改正になります。以下、主な見直し(一部の制度)について、最新情報を交えながら解説いたします。

1.危機関連保証の創設

大規模な経済危機、災害等の事態に際し、予め適用期限を区切って迅速に発動できる新たなセーフティネットとして、危機関連保証を創設。(従来の保証限度額とは別枠で最大2.8億円の保証を実施)

2.小規模事業者への支援拡充

特別小口保険の付保限度額を拡充(1250万円→2000万円)。小口零細企業保証についても同様の措置。(保証割合は100%保証を維持)

3.創業関連保証の拡充

創業関連保証の付保限度額を拡充。(1000万円→2000万円) ※保証割合は100%保証を維持

4.特定経営承継関連保証の創設

事業承継を一層促進するため、法認定を受けた中小企業の代表者個人が承継時に必要とする資金 (株式取得資金等)を信用保険の対象とする。

5.経営改善・事業再生の促進、再チャレンジ支援等

経営改善・事業再生を促す保証メニューを充実させるとともに、抜本再生の円滑化(求償権放棄条例の整備等)を進め、信用保証協会の機能強化を図る。また経営者保証ガイドラインの運用開始から一定期間が経過したところ、保証制度における運用を見直すこと等により、失敗した場合にも再チャレンジしやすく、思い切った設備投資・事業拡大ができる環境を整備する。

6.円滑な撤退支援(自主廃業支援保証)

経営者が撤退時に必要となる資金(買掛金決済、原状復帰費用等のつなぎ資金)の調達が円滑に行えるよう、新たな保証メニュー(自主廃業支援保証)を創設。最大3000万円、80%保証。

7.信用保証協会と金融機関の連携

中小企業の実態に応じて、プロパー融資と信用保証付き融資を適切に組み合わせ、柔軟にリスク分担を行っていくべく、信用保証協会と金融機関との間で更なる連携を図る。

<信用保証協会/監督指針の一部改訂>

平成29年10月25日に金融庁から公表されました。「仮に金融機関が中小企業者に対して十分な融資を行えない場合には、信用保証協会が中小企業者に対して他の金融機関を紹介する取組みを行っているか」という点に注目です。明確に文言として公表されました。積極的に取り組みのできない金融機関にとっては、厳しいことですが、企業側にとってはとても有難いことです!

8.セーフティネット保証5号の保証割合の引下げ

セーフティネット保証5号の保証割合を100%から80%に変更。

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主な見直しメニューは以上の通りです。小口保証については、今後、金融機関から融資増額の提案を受けるかもしれません。業績のよい企業においては、安易に提案に乗らないように検討してください。プロパーを交えるなど、また他の金融機関に提案を振るなどの工夫、交渉が必要です。「信用保証協会/監督指針の改訂」の内容も交渉時に役に立つことでしょう。(ただし“乱用”しないようにして下さい!!) また、業績が思わしくなく、金融機関から消極的な対応をされている企業においては、自ら小口保証の活用を持ちかけるなど、積極的なコミュニケーションも大切です。経営者は、今回の見直しを好機として捉えましょう。また、今後、各保証協会の独自制度等も創設されることになるでしょう。是非、注目してください。