当座貸越とは、融資の限度額(極度額)を設定して、その極度までは自由に資金を借りたり返済したりすることのできる方法のことをいいます。当座貸越には、「一般当座貸越」と「専用当座貸越」の2種類があります。

「一般当座貸越」とは、当座預金の残高が不足した場合に自動的に貸越となる契約のことをいいます。一般当座貸越は「当座預金」と連動して貸越額が決まります。

次に「専用当座貸越」とは、当座貸越契約証書に基づいて、当座貸越枠勘定を設けて、融資極度額を設定し、その範囲内で繰り返し借入と返済を可能にする契約のことをいいます。一般的には短期運転資金として利用されています。たとえば、極度額内にて、資金が足りないときは1000万円を借りて、そして売上の入金があったときなどに、1000万円返済するというようなイメージです。

さて、この当座貸越ですが、金融機関が実施している融資スキームの中で最も困難な方法だといわれています。当然ですよね!証書貸付や手形貸付のように決まった返済日がありません。よって、借りっぱなし(塩漬け状態?)ということも有り得るからです。企業側からすると、急な資金不足などの際は非常に便利な制度です。借入をする度ごとに金融機関との契約を結ぶ必要もありません。審査基準が厳しいのは当然です。よって、それなりに業績のよい企業でないと当座貸越契約を結ぶことは困難であるといえるでしょう。

また、通常は何かしらの担保を差し入れることが必要になってきます。担保の評価額の範囲内で極度額が設定されます。もし、無担保で当座貸越をされている中小企業があるとすれば、それは、相当の優良企業だということでしょうね。

当座貸越契約の契約期限ですが、通常は「1年間」になります。期限到来日には、金融機関で審査が行われ、事業実績や利用状況(返済状況)に問題がなければ契約が更新されます。

<参考>コミットメントラインとは?

コミットメントラインとは、金融機関と企業が予め設定した期間・融資枠の範囲内で請求に基づいて融資を実行することを“約束する”契約のことをいいます。コミットメントラインは融資の有無にかかわらず、手数料を支払わなければなりません(当座貸越にはない)。また、基本的には一定の条件のもとでは融資を断ることはできません(当座貸越は基本的には断ることも可能)。

当座貸越“保証”とは?

この当座貸越ですが、信用保証制度もあります。一般的には、「当座貸越根保証」制度といいます。これも極度額の範囲内で必要な時に自由に借入ができる保証制度です。要件としては「CRDのスコアリングが一定以上であること」「5千万円以上の場合は担保が必要」などがあります。是非、一度地元の信用保証協会のHPなどで確認しておきましょう。各信用保証協会によって要件等が多少異なる場合もあります。

当座貸越の最新の状況について

当座貸越は業績の安定している企業向けのスキームではありますが、業績が思わしくない企業においてもチャンスがあるようです。一例ですが、福井信用金庫においては、事業性評価シートを作成した上で、要注意先の企業に対して当座貸越で月商の1倍まで支店長専決で実行できる融資商品「みらい」があります。

また、福井県信用保証協会には「地域連携当座貸越根保証(小規模事業者カードローン)YELL“エール”」という保証制度があります。スコアリング要件がなく、事業性評価によって要注意先企業などにも対応可能にしているようです。

経営者の皆様におかれましては、取引先の金融機関、そして地元の信用保証協会に同様の独自の当座貸越の制度等があるかどうかについて、是非確認しておきましょう!