「ローカルベンチマーク」とは、2016年3月に経済産業省が策定・公表した、企業の経営状態を把握するためのツールです。経営者等や金融機関、支援機関等が、同じ目線で対話を行うための基本的な枠組みであり、事業性評価の「入口」として活用されることが期待されているものです。具体的には、「財務情報(6つの指標)」と「非財務情報(4つの視点)」に関する各データをエクセルシートに入力すると、財務情報に関しての「財務分析診断」の結果が算出されます。

さて、このローカルベンチマークですが、現在、金融庁が推し進めている「事業性評価融資」と、どのような関係があるのでしょうか。

「事業性評価(融資)」とは、その名称通り「金融機関が保証や担保等に必要以上に依存することなく、財務面だけでなく持続可能性を含む事業性を重視した融資や関係者の連携による経営改善・生産性向上・体質強化支援等の取組を行うこと」をいいます。なお、「財務・業績が悪くても事業性が高ければ融資を受けることができるようになる」と勘違いしている経営者の方がいるようですが、今後においても「財務」が重要な融資判断基準であることに変わりありません!!

今後、金融庁の強力な方針もあり、金融機関はこの「事業性評価融資」を推進していくことになるでしょう。企業側も会社及び事業に関する積極的な情報公開や事業性評価への理解が必要となることは必然です。繰り返しになりますが、ローカルベンチマークには、「事業性評価の“入口”として活用されることが期待されている」と明示されていることを認識してください。

また、昨年の秋に金融庁が公表した「金融仲介機能のベンチマーク」というものがあります。金融機関を客観的に評価する指標として導入され、金融機関には公表が求められています。

金融仲介機能のベンチマークには、「(2)事業性評価に基づく融資等、担保・保証に過度に依存しない融資」という項目があります。そしてその中には、「5.事業性評価の結果やローカルベンチマークを提示して対話を行っている取引先数、及び、左記のうち、労働生産性向上のための対話を行っている取引先数」というベンチマークが示されています。金融機関はこれについて積極的に取り組み、そして公開していく立場であります。

つまり、「ローカルベンチマーク」と「事業性評価融資」と「金融仲介機能のベンチマーク」は密接な関係があるともいえるでしょう。

ただし、ローカルベンチマークが絶対的な存在であり、国も「関係者はこれを共通ツールとして、各種の判断とせよ」と限定しているわけではありません。当然のことですが、各金融機関によっては、既に財務や事業性評価に関するノウハウやツールが蓄積されているところもあります。

しかしながら、企業側としては、今後、事業性評価融資を金融機関に検討してもらう場合に、入り口のツールとして、「ローカルベンチマーク」を活用するのは有用だと思われます。企業としては、先ずは、このローカルベンチマークツールを活用して、顧問税理士や金融機関などと事業性評価融資に関する今後の対応策などを練る際の最初の資料として活用することをお勧めします。早速、顧問税理士等に相談に乗ってもらいながらベンチマークシートを作成してみましょう!

<ローカルベンチマーク>

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