平成29年2月28日に「中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、第193回通常国会に提出されました。つまり、「信用保証制度の見直し案が国会に提出された」ということです。なお、「閣議決定」とは「全閣僚が合意して政府の方針を決定する手続き」のことをいいます。現在は与党多数で国会を占めているので、ほぼ間違いなく改正法案の内容通りに成立するといってもよいでしょう。ちなみに、施行期日は公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日となっています。

さて、早速、この改正法案の内容について解説いたします。起業家や中小企業者にとっては、とても重要な改正内容ですので、しっかりと確認してください。

<法律案の3つの大枠>

1.中小企業信用保険法の一部改正

2.創業・事業承継についての中小企業信用保険法に関する一部改正

3.信用保証協会法の一部改正

1.中小企業信用保険法の一部改正

1)大規模な経済危機、災害等の事態に際して、予め適用期限を区切って迅速に発動できる新たなセーフティネットとして危機関連保証を創設。(従来の保証限度額とは別枠で最大2.8億円の保証を実施)。

※保証割合は100%保証

2)小規模事業者の持続的発展を支えるため、特別小口保険の付保限度額を拡充。(1,250万円→2,000万円)

※保証割合は100%保証を維持

1)に関しては、例えば、大震災やリーマンショックのような事態が起きた場合に迅速に発動される緊急保証のような制度のことを意味します。別枠で2.8億円で100%保証です。金融機関も迅速に貸出することができることでしょう。

2)に関しては、いわゆる全国共通の100%小口保証です。“100%”保証ですので、原則として金融機関にはリスクがありません。企業側としては2,000万円枠を有効に活用したいものです。

 

2.創業・事業承継についての中小企業信用保険法に関する一部改正

1)創業関連保証の付保限度額を拡充。(1,000万円→2,000万円)

※保証割合は100%保証を維持

2)事業承継を一層促進するため、法の認定を受けた中小企業の代表者個人が承継時に必要とする資金(株式取得資金等)を信用保険の対象とする。

特に1)に関してはとても有難いですね。創業関連保証の枠が2倍になります。実は、従来から「創業関連保証(1,500万円)」という制度が併存しています。細かいことについては省略しますが、何しろさらに「創業」に関する保証枠が拡大すると理解してくだされば十分です。

3.信用保証協会法の一部改正

1)中小企業への経営支援を追加し、信用保証協会と金融機関が連携する旨を規定。

2)事業再生ファンドのみならず、創業や中小企業の経営改善を支援することを目的とするファンドへの出資を新たに可能とする。

1)については、法律案としてはこの範囲の表記になりますが、現場レベルにおいては、保証協会からの金融機関の紹介や日本公庫との連携などが強化されると思われます。また、信用保証付き融資とプロパー融資の協調などを(信用保証協会が)後押しする流れになることでしょう。

2)についてもさらに日本の開業率アップを後押しすることになるかもしれませんね。

今回の法律改正は起業家や中小事業者にとっては朗報だといえます。起業家や中小企業にとって、使い勝手のよい運用・運営をしてくれることを願うばかりです。期待しましょう!